序盤の戦略

カタンにも、将棋や囲碁と同じように「序盤」「中盤」「終盤」があり、勝つためにはそれぞれの段階で考えるべきこと、行うべき行動があります。このページでは、「序盤」をプレイする指針について、建設・交渉・盗賊に分けて説明します。

このサイトでは、序盤とは、初期配置が終わってから、全員の点数が3〜4点の状態と定義します。5点の人が現れたら中盤になったと考えて良いでしょう。言い換えれば、全員の点数の合計が15点程度までが序盤です。プレイヤー同士の争いはあまりなく、各自が上がりとなる10点を目指すための基盤を作る段階です。

建設

街と家を優先しよう

この段階で最も重要なことは、街と家を建てて早く生産力を増やすことです。序盤から生産力を犠牲にして道賞や騎士賞を狙っても、中盤以降生産力に勝るプレイヤーに追い抜かれることが大半です。また、街と家では、街を優先しましょう。生産力が、初期配置で建てた家がもう1軒増えることに相当するので、通常は3軒目以降に建てる家よりも上回っているからです。例外として、すでに街を建てており、初期配置から家を1軒も建てていない場合は、そこを街にすると家がなくなります。そうなると、次に生産力を増やす手段が家に限られてしまいますので、家を建てることを優先したほうが良いでしょう。

どこに家を建てるか

家を建てる場所としては、最優先は「初期配置で取れなかった資源」次に「港(特に3:1港)」そして「生産力が高い場所」がおすすめです。なお、資源効率の観点で、道1本で家を建てられる場所を、家を建てるために2本以上の道を引かなければならない場所より優先しましょう。
初期配置で取れなかった羊を取る。 5色自給できる形なので3:1港を取る。 5色あるが3:1港がない。取れる専門港の中で自分の生産力が最も高い鉄港を取る。

発展カードは引くな

基本的にこの段階では発展カードを引くより、次のターンで街や家を建てるために資源を残しておくほうが良いでしょう。たまに「バーストが怖いから発展カードを引きます」という人がいます。気持ちはわかりますが、それよりもバーストせずに資源が増えたときに、カードに無駄遣いしたのがたたって街や家が建たない損のほうが大きいでしょう。また、後で述べますがカードを引くと盗賊の標的になりやすくなります。カードを引くのは、幸先の良いスタートを切って現状トップに立っており盗賊が飛んできそうなので騎士を求めて引くとき、あるいは麦と鉄が豊富な初期配置なのでいつでも街を作れるときくらいです。(将来、街を作ってからの盗賊の襲来に備えて先にカードを引いておく。)

無駄な道も引くな

さらに、道も不必要に引かないようにしよう。ある場所に道を引いたら、その先に家を建てるまでは別の場所に道を引くべきではありません。(その木と土は家を建てる材料に温存すべき。)さらに言えば、他のプレイヤーとにらみ合いになっている土地がある場合は、あえて道を引かずに1ターンで道・家とやってしまう方法もあります。先に道だけを引いて、後から他のプレイヤーに取られると資源を損するからです。ただし、資源を抱え込む分だけバーストのリスクは高くなることに注意しましょう。最後に、家を建てる目的もなしに道を引くのは論外です。先にも述べた通り、この段階で道賞を目指す必要はまったくありません。
道を引いた先に家が建つまでは、他の場所に道を引きません。

港を取ろう

もう一つ早めにやっておきたいのが、今は不要でも中盤以降に活躍する港の獲得です。3:1港が理想だが、取れなければ生産力の高い資源の専門港を取っておきましょう。ただし、近くに家を建てている別のプレイヤーと港を無用に争うことは、他の二人のプレイヤーが漁夫の利を得るだけなので避けます。港の獲得と、内陸に家を建てて生産力の増大で迷ったときは、だいたいの感覚ですが港を生産力「3」(4または10の出目に相当)の土地と換算して、生産力の高いほうにするくらいでいいでしょう。ただし、先に取らないと他のプレイヤーに取られそうな土地を優先するなど、臨機応変に対応しましょう。

交渉

序盤は1:1が基本

序盤に交渉を行うときはレア資源でもなければ1:1になることがほとんどです。互いに生産力が低いので2枚を出す交渉は成立しにくく、またバーストのリスクが少ないのですぐに建設できるという手番プレイヤーの優位性も小さいからです。この段階では交渉で資源を安く売ってしまっても致命傷になることはありませんので、他のプレイヤーのターンであっても、自分が出にくい資源が出る交渉にはどんどん乗っていくべきです。

苦手なことを先にしよう

初期配置により出やすい資源・出にくい資源があると思いますが、特に「出にくい資源」を使った行動は序盤の間に済ませておきましょう。木や土が薄い人は道を伸ばして家を建てることを、逆に鉄が薄い人は街を作ることを序盤のうちに行います。中盤以降になるとなかなか交渉でそういった資源を出してくれません。カタンは「一つのことだけをしていても勝てない」ゲームですので、苦手なことを先に済ませておきましょう。

盗賊

生産力の高い人を止めよう

序盤で7を振ったとき、または騎士カードを使ったときにどのプレイヤーの土地に盗賊を送り込むかですが、序盤は全員とも生産力が小さいので、家1軒の差が非常に大きな差になります。従って、1点でも盤面の点数(家や街)が大きいプレイヤーをトップと判断し、そのプレイヤーの最も生産力の高い土地に盗賊を送り込みましょう。

特に、発展カードを引いたプレイヤーに盗賊を送り込むことは重要です。もし伏せてあるカードが騎士ならば、次のターンに盗賊をどかすのに使うだろうから、使われなかったカードは騎士以外の何か、確率的には得点の可能性が高いと判断できます。それによりカードの目星が付くので、序盤からカードばかり買い、ある程度開拓してから一気に騎士賞と得点で上がるという奇襲作戦による事故も未然に防げます。

盗賊を利用して自分の資源のシェアを上げよう

どのプレイヤーも抜きん出ていない場合は、自分がよく出る資源を止めて、その資源における自分のシェアを引き上げるのも一つの作戦です。例えば、場に土の出目が5と9と11で、全員がどれかの土の土地に1軒の家を建てている状況として、自分が5の土を持っているとき、9の土に盗賊を置くことで、自分の土のシェアが40%から66.7%に大きく上昇し、土を売る貿易で圧倒的優位になれます。

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