TIPS

細かいところでライバルに差をつけるためのテクニックやアドバイスです。

街か発展カードか

街と発展カードは、どちらも麦や鉄を必要とするので、手札に麦や鉄が多いときはどちらを優先するか迷いがちです。基本的には、発展カードより街を優先します。発展カード自体は生産力を向上しないのに対して、街は大きく生産力が伸びるからです。では、どのような状況で逆に街より発展カードを優先したほうが良いでしょうか。それを以下に挙げます。

一つは、騎士カードが欲しいときです。発展カードの過半数は騎士カードです。つまり、発展カードを引くということは基本的には騎士カードを求めて引くと考えます。騎士カードが不要なときに発展カードを引いてもがっくりすることのほうが多いでしょう。どういうときに騎士カードが必要になるでしょうか。それは、「自分がトップであり盗賊から守る必要がある」もしくは「騎士賞を争っている」場合です。

前者については、自分がトップのときは、他の3人が7を振ったときに、あるいは騎士カードを使って、自分に盗賊を差し向けてくるでしょう。それに対抗するために、こちらも騎士カードを使いたいです。騎士カードは買ったターンでは使えないので、盗賊が置かれてから買っても遅いです。次の自分のターンまで、盗賊が置かれたままダイスが振られる羽目になってしまいます。まだ盗賊が置かれていなくても先行して買っておき、盗賊を送られたらすぐにどかせる態勢を整えておきましょう。

後者については、騎士賞は道賞より後から奪うのが難しいので、誰も発展カードを集めていないのなら先行して騎士カードを買いに行くことは大きなアドバンテージとなります。もし誰かに先行されている場合でも、カード材の生産力で勝っている場合や、騎士賞候補が現状のトップであり、騎士賞の逆転に周囲からの援護が期待できる場合は、競りに行きたいところです。当然先行者も守るためにカードを引いてくるでしょうが、それにより先行者が家や街で得点を上げることを遅らせる効果があります。先行者に楽に騎士賞の2点を取らせないようにしましょう。

もう一つの発展カードを優先したい場合は、街を作るめぼしい場所がないときです。海岸沿いの家など、もともと生産力が低いところを街にしても、大して生産力は増えません。それよりは、発展カードに活路を求めてみましょう。

裏を返せば、上のどちらにも当てはまらないようなときは、発展カードを引くよりも、街を作ることを優先したほうが良いでしょう。

道賞は自分から取るな

木や土がよく出る初期配置のプレイヤーで中盤にやたら道を伸ばして、さっさと道賞を取ってしまうプレイヤーがたまにいますが、あまり良くない結果になることが多いです。生産力で他のプレイヤーと大差がないのに、見かけの点数だけトップに躍り出るので、盗賊を自ら呼び寄せることになりかねません。しかも、騎士賞と違って道賞は簡単に逆転できるので、いざあなたが上がりに近づいたなら他の3人は結託してあなたの道賞を奪還するように動きます。そうなっては、3人を敵に回すあなたにほぼ勝ち目はありません。

初期配置の家は2軒あるので、一方の家から道を引いて家を建てたら、さらに道を伸ばすのではなく、道を分岐させてもう1軒の家を建てる、初期配置で建てたもう1つの家から同じように開拓する、街を作るのどれかを狙いましょう。道賞は、「自分が取れば上がれる」または「トップが次のターンで道賞を取れば上がる」のどちらかの可能性がある状況にでもならない限り、自ら取りに行く必要はありません。

ターンエンド時の手札の枚数

中盤になるとバーストを気にして中途半端な枚数の手札を4:1交換などで消化すべきか、道やカードを引いて消費すべきか迷うシチュエーションが多いと思われますので、そのような状況での確率論的な指針を説明します。

まず、4:1交換で手札の枚数を減らすケースを考えます。4人プレイの場合、全員が1回ずつサイコロを振る間に7が出る確率は50%強(厳密には1−(5/6)^4=671/1296=約51.8%)です。従って、例えば手札が8枚あって4:1交換をしてバースト回避するのは、資源の種類を問わず手札の枚数だけで議論すれば、確実に損です。バーストした場合は4枚の損ですが、それが起こる確率は50%強なので、期待値的には2枚強の損でしかなく、その反面4:1交換した場合は確実に3枚の損をします。ましてや最悪のパターンとしては、バースト回避したつもりが、下家と対面のターンで資源を獲得して8枚以上に逆戻りした挙句、上家のターンでバーストという事態になるかもしれません。バースト回避のためだけの4:1交換は行う必要がないと言っても過言ではありません。手札が余っているなら、その資源を欲する人と交渉で何かできることがないか持ち掛けてみてはどうでしょうか。あるいは、思い切ってバーストを覚悟して何もせず1ターン待つのも悪くありません。バーストしなければ、次のターンまでにさらに資源を増やし、豊富な資源を武器に一気に開拓が進むかもしれません。

次に、今の手札では家や街は建てられなくても、道を引いたりや発展カードを買ったりできるとき、それを行うべきかという問題ですが、これも基本的にはやらないほうが良いでしょう。次の家を建てるために道を引く、騎士賞を競るためにカードを買う、といった目的もなしに道やカードばかり繰り返しても良いことはありません。それより家や街を作るために資源を温存したほうが良いでしょう。バーストが怖いから、という考え方で資源を浪費していては、いつまでも街は建ちません。

ただし、ターン終了時の手札の枚数をどうするかは、自分の順位がトップ(またはそれに近い)か下位かということにも少し関係します。上位にいるときは、他の人のターンで7が出たり騎士で攻撃されたりして手札を奪われる可能性が高く、また交渉の相手になってもらえる可能性も極めて低いので、手札を残さずなるべく使い切ってしまうほうが良いでしょう。逆に、負けているときは盗賊で奪われるリスクも低いので多めにカードを残し、相手のターンで交渉を受けてさらに資源量を増やし、バーストのリスクを冒してでも次のターンで大きく動くのを狙う作戦に出ます。(相手のターンで交渉をすると資源が増える交渉を成立させやすいでしょう。)

例えば、現状家3軒街1軒の5点で、手札が土土土麦鉄の5枚で、土港を持っているとします。
自分がトップならば、すぐに土港で土を羊に変えてカードを引きます。(あるいは土を木に変えて道を引くことも可能ですが、後述の理由でカードのほうをお勧めします。)麦や鉄を温存して次のターンで街を作ろうと思っても、うまくいかない可能性が高いです。おそらく、他の3人の誰かが騎士カードを使って資源を奪いに来るでしょうし、7が出ても同じです。(逆に、もしほかの3人が誰もカードを持っていないなら、それこそ騎士賞を狙う大チャンスです。)また、トップの自分に街を作らせる交渉をする人もまずいないでしょう。それよりも、騎士カードによる攻撃に反撃するため、こちらも騎士カードを求めてカードを引きます。
逆に、自分がトップでないならば、ここは何もせずターンを終わらせます。もしかしたら、木をたくさん持っている人と、トップに道賞を取らせないために道を引くための交渉が成立するかもしれません。そうなれば、彼(彼女)からは麦や鉄を代償としてもらえる可能性が高く、次のターンで街を作れる可能性が高くなります。逆にここで焦ってカードを買っても、手に入るのはおそらく騎士カードで、自分には盗賊はやってこないだろうから、眠らせてしまうことになる可能性が高いでしょう。