発展カード

発展カードの上手な使い方を説明します。

騎士カードはがんがん使え

騎士カードを使うタイミングは意外と難しいですが、覚えたての人を見ていると騎士カードを使いすぎるより使わなさすぎるほうが多い気がします。騎士カードは、迷ったら使ったほうが良いでしょう。熟練者は伏せカードはすべて1点と目算しますので、騎士カードを使わないで伏せたままにしていると無用の警戒を招くのが一つの理由です。たまに、「上がれる態勢になってから盗賊をどかすのに騎士を温存する」という人がいますが、そうするとその1枚が周囲には得点カードと思われて警戒され、盗賊を送り込まれるため、先に他のプレイヤーのほうが発展して上がれる態勢になってしまうことが大半です。また、発展カードは1ターンに1枚しか使えないので、温存していると後で「他のカードを使いたいし騎士カードも使いたい」というジレンマに陥ることもあります。最悪の場合、使えなかった多数のカードを伏せたまま誰かが上がってしまうかもしれません。

騎士カードを使う最大の目的は、トップを止めることです。なので、トップを止める機会があれば、どんどん使います。最も典型的な例として、トップだったAさんのところに盗賊が置かれ続けていたが、直前のターンでBさんが逆転したような場合は、たとえ自分の土地に盗賊がいなくても、騎士カードを持っていれば直ちに盗賊をBさんのところに移動するべきです。自分に関係ないからと放置していると、Bさんがどんどん伸びて止められなくなってしまいます。自分以外の他のプレイヤーが動かしてくれるだろう、と思っていても、実はどちらのプレイヤーも騎士カードを持っていなかった、ということもあり得るので危険です。

もう一つの有効な利用方法として、盗賊はトップの致命的な土地にあるが、7を出してしまったときです。このとき騎士カードを持っていれば、いったん盗賊をトップの他の土地に動かした後、騎士カードで元の土地に戻します。実質的に、盗賊をトップの致命的な土地に置いたままトップから2枚の資源を奪う強力な攻撃で、私は「往復びんた」と呼んでいます。

逆に、自分の土地に盗賊がいても騎士カードを使うべきでないこともあります。例えば、すでにたくさん持っている資源を止められてもまったく痛くないので、そういう場所が止まっているときはあえて盗賊を使わないというのも一つの方法です。

なお、初心者に多い間違いですが、「資源を抜き取る」ことを目的に盗賊を使ってはいけません。(「次の自分のターンが回ってくる前にほぼ誰かが上がるだろう」かつ「ここで彼(彼女)から資源を抜けば高い確実で自分が上がれる資源である」ケースは例外です。)資源は、交渉で出してもらうものです。強引に抜き取ったとして、それ以降抜き取られたプレイヤーは反感を持って交渉してくれなくなるかもしれないし、あなたと第三者が家を建てる場所を争っているような場合に第三者のほうに加勢してしまうかもしれません。盗賊はトップ(または自分の特別賞のライバル)へ、この原則はいかなるときも忘れないでいたいものです。

収穫(発見)カードの上手な使い方

発展カードのうち、騎士やポイントを除いたいわゆる役物カードは3種類ありますが、私の好みは「収穫」です。街道建設や独占と違って「使う場面を選ばない」(序盤から終盤までいつでも使える)かつ「誰も持っていない資源を出せる」という点で個人的には最もお気に入りのカードです。しかし、このカードを上手に使いこなせる人が意外と少ないように見えます。

収穫カードの最大のメリットは、誰も持っていない資源を出せることですので、誰かが持っているであろう資源は交渉で手に入れるようにしましょう。自分または交渉相手がトップのため交渉が成立しない、あるいは盗賊やダイス目の偏りなどのため場にその資源が出ていないときに使えば、最高の効果を発揮しますので、交渉で出してもらえる資源に使うことはもったいないです。

収穫カードのやや高度な使い方として、交渉を受けた(売った)上で使うというのがあります。例えば、木が高い盤面で、手札にちょうど次の手番で家が建てられる資源、すなわち「木・土・麦・羊」を各1枚持っているとします。そこで、自分の手番でないときに「何か異種の資源2枚出すので木をください」という交渉の申し込みがあったとします。通常だと、いくら資源2枚がもらえても、次のターンに家を建てられるのを諦めるのは代償が大きすぎて、この交渉は受けられないでしょう。だが、収穫カードがあれば、この交渉に乗って方針転換をするチャンスでもあります。「麦+鉄」を要求して手札を「土・麦・麦・鉄・羊」にすれば、次の自分のターンで収穫カードで鉄2枚を出せば街ができます。「土+麦」をもらえるなら「土・土・麦・麦・羊」の形にし、収穫カードで木を2枚出せば、家を建てた上に道も引けます。「麦+羊」で受けるなら、「土・麦・麦・羊・羊」となるので、収穫カードで木と鉄を出して家を建てた上にカードを引いてもいいですし、鉄2枚を出してカードを2枚引き、騎士賞を目指すのも良いでしょう。好きな資源2枚に変わるという収穫カードの柔軟性を活かせば、臨機応変に戦略を組み立てられます。

独占カードを使うタイミング

全員から指定した資源を強奪できる強力なカードですが、よほどいいタイミングで使わないと1~2点くらいがせいぜいなので、あまり期待しすぎるのは危険です。例えば仮に鉄を12枚集めたとしても、手元に麦がなければうち8枚を4:1交換で麦に変換して街を建て、あと鉄1枚を残すのがやっとです。単純に枚数が多い資源よりも、自分が2:1港を持っている資源を回収するほうが有効に使えるでしょう。3:1港を持っていれば、どの資源を回収してもかなり便利に使えるので、序盤に独占カードを引いた場合は少々無理してでも3:1港を取りに行くのも有力です。

また、独占カードは、もちろんトップを止めるために使うことも使うことができますし、そのような状況ではそう使わなければなりません。トップが上がりにつながる資源を引いたときは、独占で回収してしまい、上がりを阻止します。せっかく引いた独占だから自分の建設できるタイミングや上がれるタイミングで使いたい、といって惜しんでいれば、トップが先に上がってしまいます。

街道建設カードの使いどころ

道賞を争っている場合は最強に近いカードですが、そうでなければ、役物では最も使い勝手が良くないと私は考えています。というのも、カードと道は必要な資源が正反対なので、カードを引いた手札には道を引くための資源が余っていることが多いから、そこに重ねて街道を引く権利を得ても嬉しくないことが多いからです。

もし、このカードを道賞と無関係な状況で「単に街道2本分の資源を節約できる」以上の意味に使うとしたら、妨害を目的とした奇襲に有効です。つまり、開拓地争いです。他のプレイヤーと家を建てる場所を争っているが、今すぐに家を建てる資源がないとき、とりあえず道を2本引いてしまって相手の道を塞ぎ、場所を確保する、という方法があります。中盤の、港を巡る争いでたまに出てくる状況なので覚えておきましょう。同様に、最終盤でトップのプレイヤーが家を建てれば上がりそうな状況で、トップが上がるために家を建てようとしている場所やその隣に先に家を建てたり、トップが道を伸ばしそうな場所に先に道を伸ばしたりして、トップの上がり目を潰すのにも使えます。逆に、こういった洒落た使い方ができない場合は、得点と思われて警戒されるのを防ぐため、さっさと次に家を建てたい場所に道を引くために使ってしまったほうが良いでしょう。